【時々是競馬】の中では何度かネタにしましたが、今年は夏競馬における
いわゆる降級制度が廃止されたため、必然的に下級条件のレースが減らされた結果
昨年までこの時期の中京開催で行われていた、俺的最重要レース「高山特別」も
旧・500万円以下だったために今年は組まれず。代わりに上級条件のレースが
増やされた結果、7年ぶりに組まれたこちらのレースを俺的最重要レースとして
徹底展望していきたいなと思います。まずはデータ分析編としてご紹介。
■12月8日・中京11R 飛騨ステークス(3歳以上3勝クラス・芝1400m)
まずは、その7年前の飛騨ステークスを簡単に振り返る。2012年7月21日、
夏開催の最終週で、3歳以上1600万下のハンデ戦・フルゲート18頭の一戦。
1着 ⑨ウインドジャズ 54 1.22.2 6人気
2着 ⑯ツルマルレオン 58 3/4 1人気
3着 ⑫サクラクローバー 53 3/4 7人気
単勝1670円 馬連 9-16 3350円 3連複 9-12-16 14960円 3連単 9-16-12 105810円
最初の600mは34秒3だが、稍重の馬場状態を考えればやや速めのペース。先行馬は
人気薄の馬が占めていたとは言え軒並み惨敗。勝ったウインドジャズは4角通過が
後ろから4番目、3着サクラクローバーも後ろから数えた方が早い通過順だった。
というのを踏まえて先週の中京芝を見てみると、かなりの高速決着が目立つ。
中山・阪神も芝はかなり速かったので、特段中京が際立つ訳でもないのだが。
日曜の1勝クラス・桑名特別(芝1200m)が、600m33秒1・勝ちタイム1分08秒5。
同じく日曜の2勝クラス・名古屋日刊スポーツ杯(芝2000m)は1分58秒8の決着。
芝1400mは土曜9レースの1勝クラスで、600m33秒9・1分20秒3という時計が出た。
とは言え先行有利という訳でもなく、後ろからの馬も届くコンディションだった。
週末の予報を見ると、土曜こそ終日曇りという予報だが雨が降る感じではなく、
芝の状態が維持されるならレコード決着まで十分に現実味がありそう。
ここからは、例によって某TARGETを活用したデータ分析を行っていきたい。
※特に断りがない限り、今年12月1日までのレースを集計対象としています
■3歳馬の動向
降級廃止によって起きた変化と言えば、何と言っても3歳馬の活躍が目立つ点。
…なのだが、これを3勝クラス(1600万下)に限って比較してみると、
・2019年:10-12-14-71 勝率9.3%、連対率20.6% 回収率は単勝40%、複勝71%
・2018年:16-19-10-51 勝率16.7%、連対率36.5% 回収率は単勝57%、複勝91%
という結果に。昨年1600万下を勝った3歳馬の名前を見ると、インディチャンプ、
コパノキッキング、チュウワウィザードといった名前があり、単なる世代間の
レベルの差ではないかと思えなくもないが、ちょっと気になるデータではある。
ちなみに今回の飛騨ステークスには3歳馬が2頭エントリー。アクアミラビリスは
実績的にもそれなりに人気しそうだが、どこまで信頼できるかと言われると…。
■この時期に強い条件を探る
安易に3歳馬を推す事ができなくなったので(笑)、切り口を変えてみる。
馬場改修後(2012年以降)の年末の3歳以上の中京芝1400m戦(全27鞍)から
有用なデータを探してみたところ、とりあえずわかってきたこととして
・距離短縮組はかなり数字が悪い(但し3着内率16.2%は距離延長組よりも上)
・前走コース別比較では、東京芝1400組がサンプル数・勝利数は多いが、
勝率・連対率・3着内率はいずれも京都芝外1400組の方が上
・一見すると中1週の馬が好成績だが、3着以内10頭中7頭の前走が同一開催。
つまり暮れの中京開幕週に出走し、最終週にも出走というパターン
・前走で4角2番手以内だった馬は勝てていない。3着内率もわずかに10.3%
・前走3着馬がずば抜けて好成績。3着以内12頭の平均人気は4.7と中穴狙いに最適
といったところが挙げられる。なおこの27鞍中22鞍が 500万下 or 1勝クラスで
1600万下以上の競走は、2013年の浜松ステークス(1600万下)のみである。
その浜松ステークス自体は、2015年以降は芝1200mでの開催が定着している。
■せっかくのWIN5対象レースなので…
過去のダビスタでは、安田記念の週の中京メインとして組まれていたこともある
飛騨ステークスだが、今回は日曜のメインなのでWIN5の対象レースになっている。
ここでは“3歳以上・1600万下 or 3勝クラス・WIN5対象・第11競走”という
条件で行われたレースを対象としたデータを取り上げる。
2015年以降の、先述の条件に当てはまるレース・全40競走が対象となる。
・二桁人気は勝てない
勝ち馬はきれいに9番人気以内までからしか出ていない。但し14頭以上で
行われたレースは15鞍、16頭以上となると9鞍しかなくサンプル不足なのも事実
・5番人気がやけに好成績
1番人気・2番人気がともに7勝で、続くのが6勝を挙げている5番人気馬。
5番人気は回収率でも単勝202%・複勝104%とかなり優秀な数字。
あとは8番人気も4勝・単勝回収率334%と一発狙いを考えるなら興味深い数字。
・前走で着外に負けていてもチャンスは大きい
前走の着順別成績を確認すると、前走1着組が8勝・勝率11.6%と意外に好成績。
降級直前に同クラスを勝っている馬が多いかと思ったら、連対した20頭中
19頭までが前走1000万下 or 2勝クラスだった。もっと言うなら、そのうち
11頭が10月以降のレースで連勝を決めた。しかし今回は該当馬なし。
前走3着馬が勝率17.4%、複勝率52.2%と、いずれも前走1着組を凌ぐ数字だが、
前走6~9着の組も勝率10.0%、単勝回収率113%・複勝回収率86%と侮れない。
・注目の騎手は?
この条件だと、基本的にはGⅠの裏番組・第三場開催・夏競馬のどれかに
あてはまるため、参戦する騎手も注目のレースとは異なる顔触れになる。
着度数では3勝の浜中・小牧、2勝の武豊が上位だが、いずれもここは不在。
この3名に続く 2勝2着1回の騎手で、今回騎乗予定の騎手を挙げると、
秋山・松若・中谷・荻野となる。個人的には蛯名という名前が気になるが。
ということで、今回も他ではそうそう調べることのないマニアックなデータを
取り上げてきたが、飛騨ステークスの最終予想は、日曜午前中までに更新予定の
最終決断編で公開することにしているので、よろしければご覧ください。
(本文中敬称略)
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